口腔機能
「お口(口腔機能)を使って食べないと」、以下に示すような様々な症状を引き起こすことになります。
1.精神的満足度の欠如
・精神的ストレスの増大
・意欲や食欲の減退
2.歯や口の障害
・唾液分泌の減少
・口腔内乾燥
・発語障害
・口臭の発生
・飲み込み障害
・味覚障害
・誤嚥性肺炎の発症
・口腔内感染の助長
・歯周病やむし歯の助長
3.胃腸障害
・胃粘膜や腸管粘膜の萎縮
・消化、吸収障害の助長
・消化管運動機能障害
・腸管粘液層の減少
・腸管のリンパ系免疫細胞の減少や増殖障害
・腸管粘膜細胞からの分泌型IgAの合成障害
・いわゆるBacterial translocationの惹起
4.肝内外胆汁うっ滞
口腔機能は、消化器系機能、呼吸器系機能、そして脳神経系機能の3つの機能で構成しています。したがって、「お口を使って食べない」ということは、口腔機能(摂食・嚥下機能)を使わないということになり、その結果として消化器系機能、呼吸器系機能、そして脳神経系機能、それぞれに廃用という状態に陥ることになります。
そして、使わないことが長期に続くと、機能だけでなく構造そのものが劣悪化状態に移行することになりますので、例えば、お口から食べられなくても「スプーン一杯の水」でもお口を使って自力で飲み込むような、あらゆる方法によって、お口の機能を継続して使っていくことが必要です。