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地域医療交流会

第27回保団連九州ブロック地域医療交流会

演題:口腔機能改善を目的に口腔リハビリテーションを実施した在宅療養患者の1例
演者:福岡県歯科保険医協会 久保 哲郎


目的:
在宅で長期療養中のパーキンソン病関連疾患の患者に対し、義歯製作を目的とした訪問歯科診療を行った際に、口腔機能改善を目的として「口腔リハビリ」を実施した。この経験に基づいて、在宅療養患者に対する訪問歯科診療に「口腔リハビリ」を併用することの意義について考えてみた。

方法:
義歯製作は通法により行った。また、「口腔リハビリ」については、口腔ケアにおける間接訓練に、感覚機能、認知機能、そして運動機能を改善する訓練等を取り入れた。

結果:
義歯装着後は咬合支持が回復される共に、下顎の振戦が軽減し、咀嚼が可能となった。また、味覚や嗅覚等が改善し、乏しかった表情も豊かになり明るくなった。さらには、言語コミュニケーションや義歯装着動作が回復する等、明らかに社会適応や生活機能の改善が認められた。

久保哲郎

考察:
本症例のように、訪問歯科診療に感覚、認知、そして運動の機能を改善する訓練等を取り入れた「口腔リハビリ」を組み入れることは、在宅療養患者のADLやQOLの向上に寄与する可能性が示唆され、訪問歯科診療の“質”の向上にも繋がるといえる。
今後は、地域医療推進を支援する方策の一助として、さらなる検討を要すると考える。

<会場での様子>
第27回保団連